【彼女をレンタルする時代】不安情報化社会

少し先のことを想像する時、ワクワクする人と不安になる人がいるようです。

もしかしたら、不安になる人のほうが多いかもしれませんね。

なぜなら今の社会は、常に人の不安をかき立てようとしているからです。

運動不足じゃないですか?
……健康食品を買いましょう。

少し太ったんじゃない?
……エステでダイエットしましょう。

ダサいとモテないですよ?
……新しく服を買いましょう。

なんていう風に不安を煽られたら、買いたくなってしまうのも無理はない気がします。

加えて、日本人は『人に迷惑をかけてはいけません』と教育を受けているので、

『運動不足だと不健康だし、いざというときに迷惑をかけるかも』

『太っていると幅を取るから、満員電車とかでは周囲の人に嫌な思いをさせてしまうかも』

『ダサいと一緒にいる人が恥ずかしい思いをするかも』

と、感じてしまう人が多いようなのです。

自分の行動が周囲の人にどう思われるか敏感になっていると、『こういう時にはこうしないといけない』と、勝手にルールを設け始めます。

(私はこれを『自分ルール』と呼んでいます)

さらには、同じルールを他人にも求めるようになるので、寛容性が乏しくなっていってしまう傾向にあるのです。

そうしてガードを固くすればするほど、自分以外の価値観を受け入れられなくなっていきます。

『あの人は○○だから嫌』

『あのコミュニティに行くと○○だと思われそうで嫌』

と、自分にとって嫌なことばかりになってしまうのです。

そうなると、とっても生きにくいですよね。

だって、自分の価値観とぴったり合う人なんていないに等しいんですから。

けれども自分ルールが厳しいために、生きるのが窮屈でしかたがないと感じているなら、思い切って自ら自分ルールを破ってみるのもいいでしょう。

運動不足でも、太っていても、ダサくても、楽しく人生を生きている人は大勢います。

それなのに、運動不足ではいけないとか、太っていてはいけないとか、ダサいのはいけないとか、決めつけてしまって不安にさせているのは、残念ながら自分自身なのです。

同じく決めつけるなら、『ちょうど運動不足だったから、ダイエットして少し痩せたいな。サイズに余裕もできるだろうし、そしたら服を新調しよう』くらいのことを考えたほうが、ワクワクする未来になりますよね。

人の不安を煽る今の社会を『不安情報化社会』と、とある編集者は名付けました。

長いこと上がり調子だった経済も停滞し、先の見えない世の中だからこそ、人々は不安要素を抱えてしまっています。

けれども、未来が分からないということは、思った通りに自分で作っていくこともできるということ。

未来を想像した時に、起こるかわからない先のことを想像して不安になるよりは、自分たちが未来を作っていくんだと考えた方が健全です。

それに、自分とは違う価値観の人を受け入れたり、認めたりというのを繰り返すことで、他人を優先することができたり、誰かのためになることが嬉しくなったりと、人生が豊かになっていくのです。

心が豊かになると、起こりもしない未来を想像するなんてことに時間を割かなくなるので、現象が歪んで見えるということもなるなります。

そうなると、あなたの視界に映る日常も、自然と変わってくることでしょう。

『未来に不安があるせいで、なんだかイライラする』

『周囲の人と考えが合わずに生きにくい』

といったモヤモヤがあるようなら、一人で抱えているのも辛いですよね。

愚痴という形でも構わないので、ぜひお話を聞かせてください。