【彼女をレンタルする時代】外野の声が気になる

普段あまりテレビを見ないのですが、先日たまたまつけたテレビで社交ダンスをやっていました。

踊っているのは、元フィギュアスケーターの村主章枝さん。

なんと、社交ダンスを習いはじめて4ヶ月だそうです。

テレビでは全日本クラスの大会で入賞を果たしていて、それを快挙と取り扱っていましたが、村主さん自身は少しも嬉しそうではなく、目標は世界大会だということを本気で語っていました。

特に現役の時は苦汁を飲まされた方なので、ジャンルは違えど世界に羽ばたきたい気持ちは誰よりも強いのだと思います。

しかし、現役引退後にマスコミに面白おかしく取り上げられてしまったことがあるせいで、『世界大会に行きたいなんて言って、大丈夫なんだろうか』と思った人もいるみたいでした。

もちろん大丈夫かどうかなんて、自分でも分からないと思います。

けれども、フィギュアスケートで未消化な部分が今でも残っているのであれば、世界への切符はどんな苦労をしてでも手に入れたいのではないでしょうか。

自分の心に素直になって、手に入れたいものを堂々と言える人は強いです。

驚いたことに、他人のそういった夢を、裏でこっそり笑ったり、汚い言葉で罵る人がいるのです。

特に、ネットの世界は匿名性が高いので、悪口を言いやすいんですね。

でも、そういうことをする人は、誰かを悪く言うことによって優越感に浸っているだけなので、放っておいていいのです。

私は健康のために、週に数回、スポーツクラブでダンスのクラスを取っています。

そこのクラスに数ヵ月前から60代の女性が参加するようになりました。

スポーツクラブのダンスなので、ダンス教室に比べて年齢層も高めなのですが、それでも彼女はクラスで少し浮いてしまっていました。

浮いている理由は、彼女の年齢ではなく、「60を過ぎてからダンスを始めるなんて恥ずかしいわ」としきりに言っていて、クラスの雰囲気に馴染もうとしなかったからです。

けれども続けているうちに、ダンスに夢中になって年齢のことなどどうでもよくなったのか、『おばちゃんだから』『下手だから』と引け目に感じている様子もなくなりました。

はじめは足手まといにならないよう、最後列にいたのが、段々前にポジションを取るようになり、今では先生の前を陣取っています。

レッスン着も普通のジャージだったのが、蛍光色のタンクトップやブラトップになり、ばっさり髪を切って、遠目から見ると20代のようです。

そんな派手ななりに変わりましたが、本人が楽しんでいるので、誰も何も言いません。

派手という意味ではすごく目立っているのですが、ダンスが好きなクラスの仲間としては馴染んでいます。

つまり、何が言いたいかというと、外野はしょせん外野ですので、他人の目を気にする必要はないのです。

むしろ、心ない人の言葉によって、自分のやりたいことができないのは、なんて不幸なんでしょう。

なかなか趣味が見つからないと悩む人が多い中で、『やってみたい』と心が動くのはまれなこと。

やってみたいことがあったら、他人の目を気にすることなく、飛び込んでみてはどうでしょうか。

そして、自分が『嫌だ』と感じること……ここでは陰口やヤジですが……は、絶対に人にはやらない。

小さなことかもしれませんが、みんながそう考えられるようになったら、未来も良い方へ変わりそうですね。