前回、心の穴のお話をしました。
すると、『自分のことを言われているかと思った』といった反応がすぐにいただけて、嬉しかったです。
ブログって、読むの大変だと思うんですよ。
気になる人が書いたものでないと、読む気も起こらないですから。
それが、わざわざ読んでくれて、感想まで寄せ付けくださることに感謝しています。
さてさて、心の穴のお話ですが、これは、実際にある人にお話をしたことをまとめたものです。
前回には書ききれなかったことを、今回補足させていただきます。
人は誰しも、心に穴があるとお話をしました。
そして、その穴を埋められるのは自分だけだとも。
私はこれまてまで穴を埋めることが大切だと考えてきたのですが、話をしているうちに、穴を埋めない生き方もあることに気づきました。
それは、心に穴があるということを認知した上で、その穴を無視して生きていく生き方です。
例えば、子供の頃、頑張ったのに大人から褒められなくて悲しかったという、深く大きな穴があるとします。
その穴の正体をあなたは分かっています。
他の子供たちは、自分の半分しか頑張っていなくてもすごく褒められるのに、自分はいくら頑張っても何も言ってもらえない。
そのことに対して、怒りの感情がくすぶっていることも分かっています。
そして、本当は怒りではなく、愛情を注がれなかった寂しさが深い穴を作ったことも分かっています。
あなたが欲しいのは愛情ですが、それは得られないと感じています。
『どうせ得られないでしょ』といった投げやりなものではなく、『もう今さらそういうものを求めても……』といった、諦めにも似た心境でしょうか。
くすぶり続ける怒りの感情を肥やしにして、『見返してやる』『親より立派になってやる』と、自分に愛情を注がなかったことを後悔させたいという一心で、出世した姿を見せつけるというのが、穴を埋めない生き方です。
悔しい気持ちって、とんでもないエネルギー源なんですよ。
『成功したい』といったポジティブな感情より、『見返してやる』といったネガティブな感情のほうが根深いんです。
人間、誉められたことよりも、貶されたことのほうがいつまでも覚えているんですね。
『臥薪嘗胆』という諺があるくらいですが、ネガティブな感情でも、苦労の末に自己実現することができれば満たされます。
ただ、長いことネガティブな感情を抱えていないといけないので、かなりの精神力が必要になりそうですが……。
心の穴を埋める方法と埋めない方法、どちらも簡単ではありません。
いずれにしても、この穴を埋めることができるのは、自分自身なのです。