先日、カウンター席でお茶をしていると、隣から「Smile for me」という言葉が聞こえてきました。
いかにも朗らかで屈託のなさそうな大学生が、友人らしき相手ににこやかに「ほら、笑って」と言っているところでした。
言われた友人は、表情の乏しさを指摘されたようでした。
「そんなこと言われても、昔よりよくなったんだよ」と、彼は必死で言っていましたが、「そんなの昔を知らない相手にはわからないことだろ」と、すくに厳しめの一言が返ってきていました。
それは、言われた相手にとってはグサッと刺さる言葉かもしれません。
けれども、相手のことを思えないと言えない一言だと言うのはきちんと伝わったようでした。
そして、「今は若いからそれでも許してもらえるよ。でも、30歳を過ぎてもそれだとまずいだろ。後輩や部下もできることだしさ」と付け加えていました。
もっともな言い分に、その友人は返す言葉もなく、「努力するよ」と言って二人は店を出ていきました。
自分のだめなところや直したとほうがいいところを自覚しているのに、人に指摘されたら反発するのももっともなのかなと思います。
けれども、ダメ出しをするのではなく、この彼のように『今のうちに直そうよ』という思いで言ってくれていて、それがちゃんと伝わると、人の気持ちを動かすことができるんですね。
言われた方の彼はコミュニケーションが苦手で、高校生までは誰ともしゃべることができず、相手の目も見れなかったようです。
けれどもこの友人とは気負うことなくお話ができていたようなので、本人の言う通り努力をされたのでしょうし、いい友人関係が築けているのがうかがえました。
レンタル彼女を利用されるお客様でも、人の目を見れないとか初対面で緊張して話ができないと言う話をよく聞きます。
上手に人と接する努力やお話をする努力ではなく、人に慣れる努力ができた人は、人と接するうえで生じる悩みごともぐんと減るようですので、一度人に慣れる努力をしてみてはいかがでしょうか。