【彼女をレンタルする時代】頑張っているのに両想いになれない

恋愛相談に乗っている時によく耳にするのが、「小出しにしていったほうがいいですよね」という言葉。

何が小出しなのかというと、『優しさ』『思いやり』『相手に対する気持ち』なんかの感情です。

これは、男女共通かもしれません。

そして、もうひとつ共通することがあるなら、こういうことを言うのは、片想いの経験が多い人です。

相手に好きな気持ちを伝えていくなら、きっと小出しにした方がいいです。

相手も自分のことを好きな状態だったら全開で構いませんが、そんな奇跡のような可能性はそうそうないですからね。

それに、相手の気持ちを考えられずに突っ走ってしまうと、意中の人からは『身勝手な人』と思われてしまって、いい印象を持ってもらえません。

ただし、『相手に対する気持ち』ではない部分……相手に対する『優しさ』や『思いやり』についてお話をしている時に、「小出しにしたほうがいいですね」と、言われることが多いです。

例えば、密かに思う相手が疲れていたり調子を崩していた時、「大丈夫?」と労ったり、言葉にするのが苦手なら、チョコや飴などをさっとあげたりすることもできるはず。

けれども、そういうお話をすると「やりすぎではないですか?」というような反応が返ってきます。

その言葉の真意は、

『恥ずかしい』『おかしな人と思われないだろうか』『第三者に見られたくない』『優しくしたいのではなく、優しくされたい』『そういうのは付き合ったことになってからすればいい』

と、人それぞれだと思います。

そして、そういうことを言う人は、相手に対する気持ちは小出しにせずに、はじめから全開でいく傾向にあるようです。

まさにこれこそが、片想いに終わるかそうでないかの分岐点だとわたしは思うのです。

お仕事に例えると、分かりやすいかもしれません。

仕事の場合、決められたことや最低限のことだけをやっていてもお給料はもらえます。

けれども、評価を得るという成功をおさめるには、決められたこと以上のことをしなければいけません。

私の文章にはよく『ギブ&テイク』という言葉が出てくるのですが、まさに会社にとって有益な人と思われないと、評価を得ることができないのです。

それは人間関係でもそう変わりません。

あなたが一緒にいたいと思う相手は、きっとあなたに何かを与えてくれています。

『称賛』『共感』『発見』『居心地のよさ』人によっては『ときめき』なんて感情もあるかもしれません。

つまりは、あなたが『素敵だな』と思うからこそ、一緒にいたいと思うのです。

それが有益な人です。

なるべく『ギブ』を少なくして『テイク』を多くしたいと考えるのは人間の本能かもしれませんが、それでは得たいものは得られません。

なぜなら、そういった駆引きが透けて見えると、人は嫌気を覚えるからです。

恋愛相談の際に、好きな人に好かれるよう頑張っていると言う人は、この頑張りが『ギブ』ではなく、いかに多く(または、楽に)『テイク』できるかというところに情熱を注いでいるように思います。

上の法則にあてはめるなら、『ギブ』の部分を小出しにしてしまうと、あなたのことは正当に評価されないかもしれませんよね。

頑張っているのに評価が得られないという人は、たしかに頑張っているんだと思います。

けれども、その頑張る方向性が、もしかしたら違うのかもしれません。

周囲を羨む前に、一度自分の頑張っている方向を見直してみてもいいかもしれませんね。