カイワを止めるな!

話ベタさんが一番恐れていることの一つに、『自分の番で会話が止まっていまうこと』があります。

それまでポンポン会話が弾んでいたというのに、自分の番に来たら、急に会話がシラ~っとしてしまったという経験がある人もいるんじゃないでしょうか? 

できればそうそうことは回避したいと思っても、
意識すればするほど、何をしゃべったらいいか分からなくなりませんか?

何をしゃべったらいいか分からなくなってしまった時に、一番してはいけないのは『なにもしゃべらないこと』です。

これをすると、一瞬で空気が『しーん』としてしまうことがあります。

なにもしゃべらないなら、おかしなことを口走ってしまう方がいくぶんマシかもしれません。

なぜなら、『変なことを言ってしまう自分』を過剰に意識してしまうと、口を開くのが恐怖に感じてしまうからです。

話ベタの自覚があるなら、『いいことを言おう』とか『上手に話そう』と思わなくていいんですよ。

そもそも、周囲の人はあなたの話にそこまでの期待を持っていないはずです。

また、何かミスをしておかしなことを言ってしまったとしても、人の印象には残りません。

もし、自分の発言が毎回爆笑を買うという人がいたなら、それはそれでお笑いの才能がありますので、芸人を志した方がいいかもしれません。

自分が話すべき番で口を開かないと、会話に参加していないのと同じなので、会話に入れてもらえなくなっても、残念ながら人のせいにはできないのです。

そんな時には、前回の必殺技『おうむ返し』を思い出してくださいね。

話ベタさん『今日は暑いですね』

相手『そうですか? 私はけっこう寒いと思っていたんですけど』

話ベタさん『寒いんですか……?』

予想外の返答が返って来たにも関わらず、なんとかおうむ返しできましたね。

相手『ええ。さっきまでキンキンに冷えた電車に30分も乗ってたんです』

話ベタさん『30分も!』

相手『そんなんですよ。だから、体の芯まで冷えちゃってて』

話ベタさん『冷えちゃいましたねえ』

と、相手が勝手にしゃべる展開になっていきます。

もしも、そのおうむ返しが難しかったら『え!』でも『へぇー』でも『わぁ』でも構いません。

なにかしらのリアクションをして、ちゃんと会話に参加しましょう。

そうしていると、自分の話しやすいターンというのが必ず来ます。

無理に話そうとしなくても、話しやすい話題にだけ乗っていけば、大怪我をすることもありません。

『待てば海路の日和あり』ということわざがあります。

今は状況が良くないかもしれないけれど、待っていれば必ず好機は訪れるというもの。

話ベタさんにとって、自分が話しやすい話題というのはそんなにたくさんあるわけではないので、相手のお話をしっかり聞きながら、チャンスを辛抱強く待ちましょう。

その際は、話のプロではないので、いい話も面白い話も必要ありません。

『自分の話なんて、誰もしっかり聞いてない』と自分に言い聞かせて、等身大の自分を見せていけたら、お話もしやすくなりますよ。